【7000件の臨床データが証明】「妊娠37週台の完全計画無痛分娩」を選択してきた医学的理由
当院がこれまで医療技術的に非常に難易度が高い「妊娠37週台の完全計画無痛分娩」を第一に選択してきた理由の一つを、当院で行った7000件の妊娠37週台における完全計画無痛分娩データを示しながら説明します。
一般的に、お産は40週(予定日)に近いほど安全だと考えられがちです。しかし臨床において、予定日に近づくほど明確に頻度が増える、特に警戒すべき病気があります。それが「新生児胎便吸引症候群(MAS)」です。これは、胎児が子宮内で低酸素などの強いストレスに曝された際、反射的に排泄した胎便(うんち)混じりの羊水を、出生時に肺の奥深くへ吸い込んでしまうことで発症します。気道閉塞や激しい化学性肺炎を引き起こし、出生直後から人工呼吸器管理が必要となります。最悪のケースでは生命の危険に及び、現代の進歩した医療管理下であっても、発症した児の死亡率は約2%〜5%にのぼると報告されています。さらに生存した場合でも、重症度によって発症児の約2%〜7%に脳性麻痺などの深刻な後遺症を遺すリスクがあります。このように、胎便吸引症候群は命やその後の人生に直結する非常に恐ろしい病気であり、40週に向けてそのリスクは右肩上がりに上昇します。
一方で、妊娠37週台の出生では、肺液の吸収遅延などから「新生児一過性多呼吸」という呼吸障害の発生頻度がわずかに高まる傾向にあります。しかし、この一過性多呼吸はあくまで「一時的な症状」です。適切な治療によって後遺症を一切残さず、きれいに完全治癒するものであり、過度に恐れる必要はありません。
今回の7000件におよぶ広範なデータ分析により、当院の高度な無痛分娩管理下ではお産時の胎児ストレスが最小限に緩和されるため、羊水混濁がほぼ起きないことが判明しました。結果として、妊娠37週台の完全計画無痛分娩における胎便吸引症候群の症例は「0例」であることが実証されたのです。
後遺症なくきれいに治る病気(一過性多呼吸)の頻度がわずかに増えるリスクと、命や脳に重大なダメージを残す病気(胎便吸引症候群)のリスクを天秤にかけたとき、後者をゼロに抑えられるメリットは計り知れません。だからこそ、当院の高度な管理下で行う妊娠37週台での完全計画無痛分娩は、リスク管理の観点から、自然陣痛を待つよりも重篤な合併症を回避する上で非常に合理的かつ安全性の高い分娩管理であると言えるのです。

